AI×デザイン実践コース
~第7話 「日本の夕陽百選、毎日見られる」と書いてはいけない~
AI翻訳ツールで英語版・中国語版の下書きを数分で生成し、宮本の大学時代の友人にネイティブチェック(その言語を母語とする人による確認)を依頼して文化的な違和感を修正した。翻訳は、ローカライゼーション(現地の文化や習慣に合わせて、中身そのものを作り替えること)に含まれる一工程であり、AIが下書きを速く作り、人が文化の橋渡しを担うワークフロー(作業の流れ)を確立した。神谷は「udon stepping experience」という直訳を見て、あの工房の空気と粉の匂いを知った今の自分には「stepping」では何も伝わらないことに気づき、「伝えたいから作っている」自分の変化を実感した。
完成目前の小冊子
【シーン】夏の午前、せとうちマーレブルの事務所。会議テーブルの上に3言語版(日本語・英語・中国語)の小冊子の校正刷りが数ページ並べられている。北村がスタッキングチェアに座り校正刷りを手に取って満足げに眺めている。神谷がノートPCの前に座り、AIに法的チェックを依頼している。 【ロケーション固定】kagawa_13_marble_office に厳密準拠。第一参照=angle_meeting.png、第二参照=angle_desk.png。 【キャラクター参照】kagawa/characters/北村裕設定画像.png、kagawa/characters/神谷悠馬設定画像.png。 【人物】北村裕(62歳・男性、ライトブルーのボタンダウンシャツ、白いTシャツ、ベージュのチノパン、細い銀灰色の眼鏡、明るいシルバーのショートヘア、スタッキングチェアに座り校正刷りを手に持ち満足げに頷いている)。神谷悠馬(27歳・男性、ネイビーのスーツに白シャツ、ネイビーのネクタイを着用、黒い短髪、スタッキングチェアに座りノートPCを操作している)。 【構図】手前に会議テーブル、テーブル上に3言語版の校正刷り数ページとノートPC。北村が校正刷りを手に持ち満足そうに眺めている。神谷がPC側に座り操作している。背景に横一列で並ぶデスク2台、ホワイトボード、窓からの夏の自然光。 【小物】会議テーブル上の校正刷り(暖色系の配色、大きな文字、広い行間。読める実テキストは描かない)、ノートPC。 【ロケーション整合】kagawa_13_marble_office:奥壁の2連窓下に前縁をそろえて横一列に並ぶ同一仕様・同一寸法(約140×70cm)の薄いグレーのメラミン天板デスク2台(左の北村デスクに黒いデスクトップPCモニター+クリアファイルの山+波模様マグカップ、右の宮本デスクに白ノートPC+マスタードイエローのリングノート+付箋付きサブモニター)、右壁側の窓とラックの間に置く約180×90cmの横長キャスター付き自立式ホワイトボード(赤・青・黒の抽象的な海岸線・清掃地点・工程枠+マーカー3本+イレーサー)、手前右のオーク調中古会議テーブル(約140×80cm)+チャコールグレーの事務用スタッキングチェア3脚(+右壁際に重ねた予備1脚)、奥壁の引き違い窓2連(白いアルミサッシ、右窓から自然光+外に高松市内の中層ビルと空)+窓間のコルクボード(60×45cmの木枠、色数を抑えたピンで留めた小さな風景写真・無地の表・予定カード)、右壁のグレーのスチールラック4段(上段に白い防災ヘルメットと双眼鏡、中段に白・水色・グレーのファイルボックスとA4バインダー、下段に段ボール箱・青い再利用コンテナ・清掃用トング・緑の作業手袋)。 【色調】窓からの夏の自然光が白・グレー基調の事務所を明るく照らす。テーブル上の校正刷りの暖色系配色が完成間近の小冊子を示す。 【避ける】読める実テキスト、商標、他人物、写真風の質感。
日本語版・英語版・中国語版の3言語版がそろった小冊子の校正刷りを、会議テーブルの上に並べた。UD対応、多言語対応、デザイン4原則の適用——ここまで積み上げてきた工程のすべてが、この1冊に詰まっている。印刷入稿まであと一歩だった。
温かい色調の表紙、大きな文字と広い行間、ネイティブチェック済みの英語と中国語。北村が校正刷りを手に取り、1ページずつめくりながら、満足そうに頷いた。
3言語版の校正刷りがテーブルに並んでいる光景は、これまでの工程の積み重ねそのものだった。旧版の棚卸しから始まり、リファレンス活用、デザイン4原則、UD対応、多言語化。北村と宮本と一緒に一歩ずつ進めてきた道のりが、この冊子の中に凝縮されている。最初に北村の事務所を訪ねた日に見た旧版の小冊子を思い出す。あの日からここまで、一つひとつの工程を積み上げてきた道のりだった。




神谷がAIに小冊子の全文を渡し、「法的にリスクのある表現がないか確認してください」と指示した。数秒後、AIは「問題は見当たりません」と回答した。


「この表現、景品表示法に引っかかる」
【シーン】夏の午後、せとうちマーレブルの事務所。会議テーブル上のノートPCの画面に西園寺のオンライン映像が映っている。西園寺が真剣な表情で校正刷りの問題箇所を指摘している。北村がスタッキングチェアに座り驚いた表情で目を見開いている。神谷がノートPCの前に座り西園寺の話に聞き入っている。テーブル上に校正刷りが広げられている。 【ロケーション固定】kagawa_13_marble_office に厳密準拠。第一参照=angle_meeting.png、第二参照=angle_desk.png。 【キャラクター参照】kagawa/characters/北村裕設定画像.png、kagawa/characters/神谷悠馬設定画像.png、kagawa/characters/西園寺設定画像.png。 【人物】北村裕(62歳・男性、ライトブルーのボタンダウンシャツ、細い銀灰色の眼鏡、明るいシルバーのショートヘア、スタッキングチェアに座り驚いた表情で目を見開いている)。神谷悠馬(27歳・男性、ネイビーのスーツに白シャツ、黒い短髪、スタッキングチェアに座りノートPCの前で真剣に聞いている)。ノートPC画面越しに西園寺遥(30歳・女性、ベージュのジャケット、あごラインストレートボブ、細フレーム眼鏡、真剣な表情で校正刷りの問題を指摘している)。 【構図】会議テーブルを囲んで北村と神谷が座っている。ノートPC画面に西園寺のオンライン映像。テーブル上に校正刷りが広げられている。北村が驚いた表情で椅子に座っている。 【小物】ノートPC画面上の西園寺のオンライン映像、会議テーブル上の校正刷り(暖色系の配色。読める実テキストは描かない)。 【ロケーション整合】kagawa_13_marble_office:奥壁の2連窓下に前縁をそろえて横一列に並ぶ同一仕様・同一寸法(約140×70cm)の薄いグレーのメラミン天板デスク2台(左の北村デスクに黒いデスクトップPCモニター+クリアファイルの山+波模様マグカップ、右の宮本デスクに白ノートPC+マスタードイエローのリングノート+付箋付きサブモニター)、右壁側の窓とラックの間に置く約180×90cmの横長キャスター付き自立式ホワイトボード(赤・青・黒の抽象的な海岸線・清掃地点・工程枠+マーカー3本+イレーサー)、手前右のオーク調中古会議テーブル(約140×80cm)+チャコールグレーの事務用スタッキングチェア3脚(+右壁際に重ねた予備1脚)、奥壁の引き違い窓2連(白いアルミサッシ、右窓から自然光+外に高松市内の中層ビルと空)+窓間のコルクボード(60×45cmの木枠、色数を抑えたピンで留めた小さな風景写真・無地の表・予定カード)、右壁のグレーのスチールラック4段(上段に白い防災ヘルメットと双眼鏡、中段に白・水色・グレーのファイルボックスとA4バインダー、下段に段ボール箱・青い再利用コンテナ・清掃用トング・緑の作業手袋)。 【色調】窓からの夏の自然光。北村の「驚き」の表情がシーンの焦点。西園寺のオンライン映像に真剣さが漂う。 【避ける】読める実テキスト、商標、他人物、写真風の質感。
その日の午後、西園寺とオンラインで校正刷りの最終読み合わせを行った。西園寺が画面越しに日本語版の文面を丁寧に読み進めていく。数ページ目で、西園寺の手が止まった。





北村の表情が曇った。AIに法的チェックを頼んだとき「問題ありません」と返ってきた。その同じ文面に、法的リスクが潜んでいた。
神谷も動揺を隠せなかった。校正刷りの文面はAIが生成したものだ。その同じAIに法的チェックを依頼し、「問題なし」という回答をそのまま信じた。書く能力とチェックする能力が同じものだと思い込んでいた。




AIに法的チェックを頼んだのは、正しい判断だと思った。しかしAIが「問題なし」と答えたことを鵜呑みにしたのは、正しくなかった。AIの得意領域と不得意領域を見極めること——それもまた、AIを使いこなすために必要なスキルだった。AIは文章の流暢さや魅力を最適化する能力に長けている。しかし「この文が景品表示法に抵触するかどうか」という判断は、文章力とはまったく異なる軸の能力だ。
事実と保証の境界線
西園寺が景品表示法の基本を噛み砕いて説明した。








北村が腕を組み、沈黙した。長年、観光パンフレットの文面を見てきた。「絶景」「感動」「唯一無二」——観光の世界では見慣れた表現だ。それらが法的にグレーだったとは、考えたこともなかった。他社のパンフレットにも「忘れられない感動をお約束します」といった言い回しが当たり前のように並んでいる。今思えば、あの表現も同じ問題を抱えていたのかもしれない。
【種類】概念図(保証表現のビフォーアフター比較表)。人物は描かない。 【構図】2行×2列の比較表。列ヘッダーは「NG表現(保証)」「OK表現(条件付き事実)」。1行目:「日本の夕陽百選の絶景、毎日見られる」(「毎日」が天候を無視した保証)→「日本の夕陽百選に選ばれた屋島。晴れた日には瀬戸内海に沈む夕日を一望できます」(事実の記述+条件の明示)。2行目:「屋島でしか味わえない感動」(「しか〜ない」が排他的主張)→「屋島ならではの絶景をぜひ体験してください」(推薦に変換)。各行のNG列に小さく景品表示法の問題点の注記。全体の下部に「事実の記述と条件の明示を分ける」のキャプション。 【補助】タイトル「保証表現のビフォーアフター──事実と保証を分ける」。 【色調】白い背景。NG列は淡い赤(問題を示す)、OK列は淡いグリーン(改善を示す)。列ヘッダーはグレー。 【避ける】人物の顔、実在ロゴ、写真風の質感。
観光業は特に天候・季節・自然条件に左右される。条件付きの事実を「必ず」「毎日」「唯一」「絶対」といった言葉で無条件の保証のように書けば、内容自体は事実であっても優良誤認に当たりうる。表現の仕方次第で法的リスクが生まれるということだ。逆に言えば、条件を書き添えることが最初の一歩になる。ただし、条件が小さな文字で紙面の端に置かれ、読み飛ばされてしまうようでは、打ち消したことにならない。強調した一文と同じくらい目に入る大きさと位置で条件を示せているかまで、セットで確認する。事実を正確に伝えることと魅力的に伝えることは、矛盾しない。

保証表現チェックリスト
問題箇所はキャッチコピーだけではなかった。3人で小冊子の全文を読み返し、保証表現が含まれている箇所をすべて洗い出した。「必ずご満足いただけます」「年中楽しめるスポット」「他にはない体験」——AIが生成した文の中に、保証を含む表現が日本語版だけで8箇所見つかった。英語版と中国語版にも同じ表現がそのまま翻訳されており、3言語合計では20箇所以上に上った。




【種類】概念図(AI生成文の法的チェックフロー図)。人物は描かない。 【構図】左から右への4ステップのフロー図。左のボックス「AI生成文」から矢印→2番目のボックス「保証表現チェックリスト(毎日・必ず・唯一・しか〜ない・絶対)」から矢印→3番目のボックス「条件付き表現に修正」から矢印→右のボックス「法務確認OK・印刷入稿」。2番目のボックスには「該当する表現がないか機械的にチェック」の補足。3番目のボックスには「事実の記述+条件の明示に書き換え」の補足。全体の下部に「個人の気づきではなく、仕組みで防ぐ」のキャプション。 【補助】タイトル「保証表現チェックリストのフロー──AI生成文を法の目で確認する」。 【色調】白い背景。各ボックスは淡い色で区分(AI生成文=淡いブルー、チェックリスト=淡いオレンジ、修正=淡いグリーン、法務確認OK=淡いゴールド)。矢印はグレー。 【避ける】人物の顔、実在ロゴ、写真風の質感。
保証表現チェックリストの項目を整理した。「毎日」「必ず」「唯一」「しか〜ない」「絶対」「年中」「100%」「他にはない」——これらの表現がAI生成文に含まれていたら、条件を明示した表現に書き換える。

「日本の夕陽百選の絶景、毎日見られる」は「日本の夕陽百選に選ばれた屋島。天候と季節の条件が合う日には、瀬戸内海に沈む夕日を望めます」に。「屋島でしか味わえない感動」は「屋島ならではの絶景をぜひ体験してください」に。「必ずご満足いただけます」は「体験の所要時間は約60分。小さなお子さまも保護者の方とご一緒に参加いただけます」に。一つひとつ、事実はそのままに、表現だけを正確なものへ書き換えていった。
北村も一緒にチェックリストの確認作業に加わった。保証表現に赤ペンで印をつけ、一つひとつ条件付きの表現に書き換えていく。「年中楽しめるスポット」の「年中」を「季節ごとに異なる魅力がある」に書き換える。法律の専門知識がなくても、リストに載っている言葉を探すだけでいい。この単純さが、仕組みとして機能する条件だった。


AIが書いた文は、法の目でもチェックする
【シーン】夏の午後、せとうちマーレブルの事務所。会議テーブルの上に修正済みの校正刷りが広げられている。北村がスタッキングチェアに座り安堵した穏やかな表情で校正刷りを眺めている。神谷がノートPCの画面にチェックリストの一覧(抽象的な箇条書き)を表示している。もう1台のノートPCの画面に西園寺のオンライン映像が映り、西園寺が穏やかな笑みを浮かべている。 【ロケーション固定】kagawa_13_marble_office に厳密準拠。第一参照=angle_meeting.png、第二参照=angle_desk.png。 【キャラクター参照】kagawa/characters/北村裕設定画像.png、kagawa/characters/神谷悠馬設定画像.png、kagawa/characters/西園寺設定画像.png。 【人物】北村裕(62歳・男性、ライトブルーのボタンダウンシャツ、細い銀灰色の眼鏡、明るいシルバーのショートヘア、スタッキングチェアに座り安堵した穏やかな表情で校正刷りを眺めている)。神谷悠馬(27歳・男性、ネイビーのスーツに白シャツ、黒い短髪、スタッキングチェアに座りノートPCの画面にチェックリストを表示している)。ノートPC画面越しに西園寺遥(30歳・女性、ベージュのジャケット、あごラインストレートボブ、細フレーム眼鏡、穏やかな笑みを浮かべている)。 【構図】会議テーブルを囲んで北村と神谷が座っている。テーブル上に修正済みの校正刷りが広げられている。神谷のノートPCの画面にチェックリスト(抽象的な箇条書きの列挙)。もう1台のノートPC画面に西園寺の笑みの映像。北村の安堵した表情がシーンの焦点。 【小物】修正済みの校正刷り(暖色系の配色。読める実テキストは描かない)、ノートPC画面上のチェックリスト(抽象的な箇条書き。読める実テキストは描かない)、もう1台のノートPCに西園寺のオンライン映像。 【ロケーション整合】kagawa_13_marble_office:奥壁の2連窓下に前縁をそろえて横一列に並ぶ同一仕様・同一寸法(約140×70cm)の薄いグレーのメラミン天板デスク2台(左の北村デスクに黒いデスクトップPCモニター+クリアファイルの山+波模様マグカップ、右の宮本デスクに白ノートPC+マスタードイエローのリングノート+付箋付きサブモニター)、右壁側の窓とラックの間に置く約180×90cmの横長キャスター付き自立式ホワイトボード(赤・青・黒の抽象的な海岸線・清掃地点・工程枠+マーカー3本+イレーサー)、手前右のオーク調中古会議テーブル(約140×80cm)+チャコールグレーの事務用スタッキングチェア3脚(+右壁際に重ねた予備1脚)、奥壁の引き違い窓2連(白いアルミサッシ、右窓から自然光+外に高松市内の中層ビルと空)+窓間のコルクボード(60×45cmの木枠、色数を抑えたピンで留めた小さな風景写真・無地の表・予定カード)、右壁のグレーのスチールラック4段(上段に白い防災ヘルメットと双眼鏡、中段に白・水色・グレーのファイルボックスとA4バインダー、下段に段ボール箱・青い再利用コンテナ・清掃用トング・緑の作業手袋)。 【色調】窓からの夏の午後の自然光。修正済みの校正刷りの暖色系配色と北村の安堵した表情が問題を乗り越えた安心感を示す。 【避ける】読める実テキスト、商標、他人物、写真風の質感。
修正済みの校正刷りを改めて広げた。保証表現はすべて条件付きの表現に書き換えられている。北村が修正後の文面を指でなぞった。「日本の夕陽百選に選ばれた屋島。天候と季節の条件が合う日には、瀬戸内海に沈む夕日を望めます」——以前の文と比べると、嘘がない分だけ読む人に対して誠実に響く。事実はそのまま残し、保証だけを外した文章は、正確で、しかも魅力を失っていなかった。
振り返れば、AIが生成した観光コピーはどれも魅力的だった。「日本の夕陽百選の絶景、毎日見られる」——確かに心に響く。しかしその響きの裏に、天候という条件を見えなくしてしまう危険が隠れていた。美しい言葉ほど、法の目で確認する必要がある。




西園寺との読み合わせがなければ、保証表現を含んだまま500部が印刷されるところだった。印刷物は一度刷ったら回収できない。各施設や観光案内所に配布された後に問題が発覚しても、すでに手に取った人の手元にある冊子を差し替えることはできない。だからこそ、入稿前のチェックが重要なのだ。
📌 覚えるポイント
- 屋島が日本の夕陽百選に選ばれているのは事実だが、「毎日見られる」と書けば、天候に関係なく確実に体験できるという保証になる。事実を述べることと、その事実を無条件に保証することは違う
- 天候や季節に左右される体験を「必ず」「毎日」と書けば、景品表示法が禁じる優良誤認表示にあたりうる。誇張のつもりがなくても、書き方ひとつで線を越える
- AIは魅力的な文章を書くことには長けているが、景品表示法のリスクを自分で判断する力は持っていない。AIに法的チェックを頼んでも「問題なし」と返ってくることがあるので、法の知識を持った人が確認する
- 「毎日」「必ず」「唯一」「しか〜ない」「絶対」——AIが書いた文に混じりやすい保証表現を一覧にして、印刷前に機械的に照合する。目視の注意力には頼らない
- 事実を否定しなくても、条件を明示すれば魅力と正確さは両立できる。「日本の夕陽百選に選ばれた屋島。天候と季節の条件が合う日には、瀬戸内海に沈む夕日を望めます」と書けばよい
- 一人の注意力に頼っていると、いつか見落とす。チェックリストとして手順に組み込めば、誰が確認しても同じ精度で止められる
📖 覚える用語
- 優良誤認表示(不当景品類及び不当表示防止法5条1号)
- 実際より著しく優良であると誤認させる表示を禁止する法律の規定。観光では「毎日見られる」「必ず」など天候に左右される体験を無条件に保証する表現が該当しうる
- 有利誤認表示(同法5条2号)
- 取引条件が実際より著しく有利であると誤認させる表示を禁止する法律の規定
- AIの法的チェックの限界が判明
- 今回の見落としは、文面を作らせたAIに同じ文面の点検まで任せたことで生まれた。作る役と点検する役を同じ相手に置かない——この分担は小冊子に限らず、今後の動画字幕やSNS投稿にも当てはめる。AIへの依頼は「書かせる」用途と割り切り、点検は別の経路を通す。
- 保証表現チェックリストの導入
- リストは一度作って終わりにせず、新しく引っかかった表現が出るたびに追記していく形で運用する。日本語版を直したら英語版・中国語版の同じ箇所も必ず見直す——翻訳版は日本語版の表現をそのまま引き継ぐため、この連動を手順に明記した。確認は私と北村さんの2人で回す。
- 全箇所の修正完了
- 修正は文言の差し替えだけで済み、レイアウトの組み直しは発生していない。入稿スケジュールは当初の予定どおり。ただし条件を書き足した箇所は文字数が増えているため、印刷見本が上がった段階で行間と文字の収まりを再確認する。
